未来の地球を舞台にした『ウォーターワールド』。
公開されたのはもう20年以上昔で、当時としてはとても斬新な映画でしたよね。
大がかりなセットは話題を呼び、USJのアトラクションに取り入れられたほどでした。どんな映画だったのか、おすすめポイントなども含めてお伝えしていきます。
当時の技術がぎゅぎゅっと詰め込まれた感じはすごくするものの、やはり時代が時代だけに今観ると「うーん」と思う点が多すぎる、というのが否めません。
主演のケビン・コスナーが実際濡れるとこうなる、という姿への衝撃がすごすぎるので、当時の技術力を駆使した点は評価しつつ、3をつけます。
おすすめポイント
- おすすめポイント①:ケビン・コスナーのびしょ濡れアクションは必見!
- おすすめポイント②:ハワイ沖をまるっと貸し切った大がかりなロケ
- おすすめポイント③:あっと驚くラストの展開が必見!
おすすめポイント①:ケビン・コスナーのびしょ濡れアクションは必見!
どちらかというと、洗練された役柄が多いケビン・コスナーですが、この作品ではとても泥くさいアクションシーンがてんこ盛りです。しかも、長髪でのアクションもほとんどなかったので、私にとっては色々衝撃的でした。
おすすめポイント②:ハワイ沖をまるっと貸し切った大がかりなロケ
設定が、北極南極の氷が溶けて、陸地という陸地が水に沈んだ世界。これを表現するのに、この作品はまるっとハワイ沖を貸し切って行われたそうです。今であればCG技術が発達したので、そこまでスケールを大きくしなくてもよい作品は作れると思いますが、この頃はそうではありません。そう、CGなしでこんなにもすごいスケールのものが作られた、ということがポイントなのです!
おすすめポイント③:あっと驚くラストの展開が必見!
ネタバレをどばーんとしてしまうともったいないのでしませんが、ドライランドを目指す一行には、驚きのラストが待っています。この終盤のシーンまで、時々「オヤ?」という伏線はあったのですが、「でもそんな…!」と思うようなラストが私達を待っています。
こんな方におすすめ
ケビン・コスナーファンの方はもちろん、ちょっと古い映画がお好きな方にオススメします。ハイテクな武器でドンパチやるのはあまり好きではないという方、子どもと寡黙な男性が心を通わせてゆく様子を観るのがたまらんという方には特にオススメです。
▲作品概要▲▲
- 公開:1995年
- 制作国:アメリカ合衆国
- 上映時間:136分
キャスト
- ケビン・コスナー(マリナー)
- デニス・ホッパー(ディーコン)
- ジーン・トリプルホーン(ヘレン)
- ティナ・マジョリーノ(エノーラ)
- マイケル・ジェッター(老グレゴール)
【ウォーターワールド】あらすじ
舞台は、近未来の地球。
温暖化が進み、シベリアの永久凍土、北極南極の氷が溶けたことで海面が上昇し、陸がなくなってしまった世界。
マリナー(ケビン・コスナー)と呼ばれる人類の一種である男性は、一人で海を漂流している生活を送っていたが、彼は食料品と物資を交換するために立ち寄った環礁で、水ひれがついたミュータントであることから捕えられてしまう。そんな彼を助けたのは環礁に暮らす女性・ヘレン(ジーン・トリプルホーン)で、2人は伝説の陸地「ドライランド」を目指して、その地図が体に彫られた少女・エノーラ(ティナ・マジョリーノ)を連れて旅に出る。時を同じくして、海賊集団「スモーカー」のディーコン(デニス・ホッパー)は、マリナーと逃亡したヘレンを捕えるべく動きだしていた。
旅の途中、誰にも心を開かなかったマリナーは、エノーラの純粋さに触れるうちにヘレンとも打ち解ける。そんな折、ドライランドを目指す3人をスモーカーが襲いかかり、エノーラが連れ去られてしまう。救出に向かうマリナーは、老グレゴールに助けられ、スモーカーの本拠地へ乗り込んでゆく。
激しい戦闘の果てに、マリナーはエノーラを救出し、ドライランドでヘレン達と穏やかに暮らすことができるのか…?
【ウォーターワールド】の考察
どちらかというと都会的な印象のケビン・コスナーの、意外すぎる出演作品として思い浮かぶ今作。
地球温暖化による環境変化に対して、社会全体が敏感になっていた頃に公開となったこともあり、インパクトはすごかったと思います。
なんとなく不透明な予想でしかなかった温暖化の果てが具体的に示されていて、温暖化が進むとこうなるのか、とまだ若かった私は衝撃を受けたのを覚えています。
当時は色々な憶測が飛び交っていて、公開される映画も地球が滅ぶといった内容のものが多かったのですが、この作品は地球が滅ぶというよりも人類がものすごく減る、という設定だったのもほっとしたのを覚えています。
作品全体に漂う雰囲気は、現在のCGがバンバン使われている、どこがCGでどこが本物か分からないというものとは一線を画していて、とにかく人力で頑張って作った、という印象です。
『マッド・マックス』の、土埃が舞いすぎて視界が不鮮明な作品と共通する雰囲気があります。水に覆われた世界なのに、どこか土埃とか泥とかそういったもののにおいが漂うような、そんな作品です。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』においても、ケビン・コスナーは長髪での演技を披露していますが、今作では水に濡れまくるシーンが満載だったことから、観る側に若干のヒヤヒヤ感を与えてくれた作品でした。寄る年波にはケビン・コスナーでさえも勝てないのか…となんとなくショックを受けたことも痛烈に印象に残っている作品です。
そして、アメリカが誇る名優デニス・ホッパーが出演していることもオススメポイントのひとつ。日本でも歌の歌詞に使われたりして、名前は知っているけれど、実際どんな人なのか知らない、という若い世代は多いはず。2010年に亡くなってしまった彼の、元気な時の演技を堪能できるのもポイントが高いですよね。
さらに、このロケはハワイ沖で大掛かりなセットが組まれ、移動するだけで何時間もかかるというスケールで撮影されたので、本当にこの作品の世界がどこかに存在するのではないか、と観る側に思わせる説得力は充分にあります。
昨今のCG満載の〝きれいな″映画にはちょっと疲れてしまったなぁと思う映画ファンの方には、何度でも観直してほしい作品のひとつです。
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